2010年7月アーカイブ

もし熱中症になった場合には、どうしたらよいでしょうか?
今回は、熱中症になったときの対応方法について書いておきます。

熱中症の応急処置

1)涼しい環境へ移動する

まず、涼しいところへ移動させます。
風通しの良い日陰や、できれば冷房の効いた室内が良いでしょう。

2)体温の冷却

そして、衣服を脱がせて熱が体から逃げていくようにします。
その上で、水をかけたり、氷で首・腋の下・脚の付け根を冷やしたりして、体温の冷却をはかります。
症状が重くて救急車をよんだ場合でも、救急隊が到着する前から体温を冷却するようにしましょう。

3)水分・塩分の補給

自力で経口摂取出来るようなら、水分・塩分を補給します。
このとき、水やお茶を飲むと、失われた塩分を補給できず体液を薄めてしまいかえって悪化します。
水分とともに塩分も摂取できるスポーツドリンクや経口補水液を飲むようにしましょう。

意識障害があるときに無理に飲ませると誤嚥してしまいます。
また、吐き気や嘔吐があるときはすでに胃腸の働きが鈍ってきています。
このようなときは、経口での水分摂取はしないようにします。

4)医療機関への搬送

自力での水分摂取ができない場合や、意識障害・運動障害・痙攣(ひきつけ)をおこすなど明らかな重症の場合にはすぐに医療機関に搬送しましょう。


上記1)〜3)の応急処置はできるように覚えておきましょう。
また、連日の報道からも分かるとおり、熱中症は死に至ることもある危険な状態です。
油断することなく、重症化が疑われれば、医療機関を受診するようにしましょう。

参考:熱中症環境保健マニュアル2009
熱中症の症状は、軽いものでは立ちくらみや筋肉のこむら返りなどであり、重症では意識障害が出現したりします。

従来、熱中症はその病態により熱痙攣、熱失神、熱疲労、熱射病などと分けて呼ばれてきましたが、現在では下表のような重症度による分類が用いられています。


熱中症重症度分類.png
引用:熱中症環境保健マニュアル2009


これらの症状が出現したなら積極的に熱中症であることを疑いましょう。とくに重症の場合は、できるだけ早く発見し体温を冷却することが救命につながります。軽症だと思っていても、短時間のうちに急激に悪化して重症となる場合もあるので十分注意しましょう。

屋外でスポーツや作業をしていたときに上記の症状があるならば熱中症を疑うのはもちろんですが、屋内での家事、飲酒などでも発症することもあるので油断しないようにしましょう。


熱中症は体がまだ暑さに慣れていないときに起りやすいものです。

暑い日が続くと、発汗量や皮膚血流量の増加、汗に含まれる塩分濃度の低下、血液量の増加、心拍数の減少などの反応があらわれ、次第に暑さに対して体が適応していきます(暑熱順化)。

暑熱順化は運動によっても獲得することが出来ます。運動開始から数日で形成され始めて2週間程度で完成すると言われていおり、春先ごろからジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を行なっておくのが良いのです。

つまり、日頃から運動をしている人は暑さに強いと言えるでしょう。とはいえ、熱中症になるかどうかは気温や湿度などの環境的要因も大きく関与します。

連日猛暑が続くなかでは、体力に自信があっても、環境的要因を緩和する=暑さを避ける工夫も必要になってきます。

具体的には、屋外ではできるだけ日陰をえらんで歩く、帽子をかぶる、日傘をさす。屋内で過ごすときはブラインドやすだれを垂らして直射日光を防ぎ風通しをよくする、などです。朝のうちに打ち水をしておくのも良いでしょう。打ち水には、気化熱による気温上昇の抑制効果があります。

皮膚からの熱の出入りには衣服が関係します。皮膚表面まで気流が届き汗を吸って服の表面から蒸発させることが出来るような、通気性・吸湿性のよいものが理想的です。また、太陽光のもとでは輻射熱を吸収して暑くなる黒色の衣類は避けた方が無難です。ネクタイなど首の周りをしめるような服装の場合は、可能な限り襟元をゆるめて通気し熱を逃がしてやるほうがよいでしょう。

熱中症予防のためには水分補給は非常に重要です。暑い日には知らないうちに汗をかいているので、とくに運動や作業をしていなくても小まめに水分を補給するとよいでしょう。とくに湿度が高い日や風通しが悪い環境では、汗をかいても蒸発しにくく汗の量も多くなるので、その分、十分な水分と塩分を補給する必要があります。また、人間は軽い脱水状態の時にはのどの渇きを感じないため、のどが渇く前や暑いところに出る前に水分を補給しておくことが大切です。

梅雨が明けた途端にものすごい暑さになり、全国各地で猛暑日を記録しています。こういう時に気をつけたいのが熱中症です。

暑くなればなるほど、熱中症で倒れる人や死亡する人が増えてきます。

日別最高気温と熱中症死亡率.jpg

人間の体には異常な体温上昇を抑えるための調節機構が備わっています。

暑いときには末梢血管が拡張して、皮膚に多くの血液が分布し、外気への「熱伝導」を良くすることによって体温低下をはかります。また、汗をたくさんかけば「汗の蒸発」に伴って熱が奪われるため体温が低下します。末梢血管の拡張も汗の分泌も自律神経の働きによるものです。

このような体内での調節機能が破綻し、熱の産生と「熱伝導と汗」による熱の放出とのバランスが崩れて体温が著しく上昇して発症するのが熱中症です。

熱中症が起りやすいのは、気温・湿度が高い、風通しの悪い、日差しが強いなどの環境です。身体的な条件としては、激しい運動によって体内に著しい熱が産生されている場合に起りやすいと言えます。

また、暑い環境に体が十分に対応できない場合にも発症しやすいので、心臓疾患、糖尿病、精神神経疾患、広範囲の皮膚疾患などがあり「体温調節が下手になっている」状態の人は要注意です。さらに、心臓疾患や高血圧などで投与される薬剤や飲酒も自律神経に影響したり、脱水を招いたりするので気をつける必要があります。