2010年4月アーカイブ

注意してみていると遠隔医療関連のニュースも時々報道されていますね。遠隔画像診断は患者を診察するのでは無い分だけハードルが低いためか、少しずつ普及し始めているようです。地方における放射線科医不足の対策などに有効ですが、少ない医療資源を活かして最大の効果をあげるためには良い方法です。下記のようなニュースを見ると遠隔医療に対する潜在的な需要の高まりを感じます。

遠方患者 即座に診断/栃木
ドクターネット(遠隔医療支援、宇都宮市)

1995年創業。従業員52人。売上高約21億円(2009年12月期見込み)。全国220の医療機関、国内外の120人の放射線科医と契約。診断は1日1000件を超える。

 画像診断技術とインターネットを活用し、遠隔地の医療を手助けしている。

 日本では、体を切らずに体内を調べるコンピューター断層撮影法(CT)や磁気共鳴画像(MRI)の装置が普及し、人口当たり保有台数は世界一だ。しかし、地方には放射線科の専門医がいない地域も多く、適切な診断を行う体制は整っていない。

 撮った画像をインターネットで送れば、遠く離れた専門医でも診断が可能になる。自ら放射線科医の佐藤俊彦社長(49)が、1990年代半ばに視察した米国の画像診断のシステムを参考に事業を広げた。

 「IT(情報技術)を使ってすべての画像を専門医が診られるようにしたい」と佐藤社長は意気込む。

 同社の画像診断で自覚症状が出る前にがんを発見し、早期治療につなげた患者も多いという。医師もパソコンさえあれば自宅で診断が可能で、子育て中や海外留学中などの医師が対応できるのも特徴だ。

 昨年4月には中国の重慶市と画像診断サービスの提供について調印。中国を中心としたアジアでの事業も始める予定だ。(宇都宮支局 鹿川庸一郎)

(2010年3月15日  読売新聞)

出典:http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/special/chihou/ch100315.htm

遠隔医療は恐竜絶滅前の哺乳類のような存在なのでしょう。哺乳類は恐竜が闊歩している時代には目立たないところに潜んで暮らしていました。恐竜が絶滅すると、そのすき間を埋めるように適応放散して進化発展しました。それと同じように遠隔医療という哺乳類も、恐竜である既存医療体制(種々の既得権益を含む)の支配力が強いうちは辺縁に追いやられた存在ですが、既存体制が崩壊し始めたとき一気に表舞台に出てきて発展するのではないかと思われます。

「医療における革命」を連載中!→「秋月便り」
今は大変化の時代ですから、「物事の前提が変わってしまう」ということが起こります。通信事業分野では、携帯電話のSIMロックが解除されることになりましたが、SIMロックを前提にビジネスモデルを構築してきた携帯キャリアは当惑しているようですね。

孫氏と原口大臣「つぶやき」バトル SIMロック解除で

2010年4月3日21時29分

 特定の通信会社しか使えないように携帯電話端末に制限をかける「SIM(シム)ロック」の解除を総務省が打ち出したことを巡り、反発するソフトバンクモバイルの孫正義社長と、旗振り役の原口一博総務相が簡易投稿サイト「ツイッター」でさや当てを演じた。
 2日夜、制限解除の方針の報告を受けた原口氏は、直後にツイッターで「嬉(うれ)しい報告。大きな歯車がここでも動き出しました」。
 これに対し、孫氏は「強制すると、またしても総務省が原因で端末が売れなくなる」とつぶやいた。米アップル製の人気端末「iPhone(アイフォーン)」がライバル会社で使えるようになれば大打撃を受けかねないだけに、「(国内で割引販売しているiPhoneが)強制だと大量に海外に横流しされ大被害」などと立て続けに発信し、役所の介入姿勢を牽制(けんせい)した。
 原口氏は3日朝、孫氏に向け、「総務省がビジネスモデルを強制することは、ありません」と返答すると、孫氏は「強制でなければ、我々もいくつかの機種で試行可能」と歩み寄りの姿勢を見せた。ただ「(解除すれば)販売値引きができなくなり、消費者価格が約4万円高騰し、販売総数が下落する」と、利用者や通信会社が不利益を被りかねない点を強調することも忘れなかった。(和気真也)

http://www.asahi.com/politics/update/0403/TKY201004030265.html
素人判断ですが、端末の安売りで客を惹きつけることができないとなれば、自然と回線の品質でキャリアが選択されることになるような気がします。そうなるとドコモが有利なのでしょうね。ソフトバンクやauは苦しい立場に立たされます。ビジネスモデルの前提が変わるということは、当事者にはなかなか過酷な話です。

もちろんこの前提が変わるということは医療の分野でも起こっています。
日本医師会も長年の前提が崩れてしまって右往左往しているようです。

日本医師会に届いた鉢植えが燃え上がる 脅迫容疑で警視庁捜査

2010.4.2 20:39

 2日午後1時35分ごろ、東京都文京区本駒込の日本医師会で、50代の男性職員らが送られてきた鉢植えの花のラッピングを開封したところ、突然発火し、床約10平方センチがこげた。けが人はなかった。警視庁駒込署が脅迫容疑などで捜査している。
 同署によると、送り状には都内の住所と個人名が記されていた。あて名などは捜査中で、脅迫文などは確認されていない。
 鉢植えは同日、都内の業者から届けられ、4階応接室で男性職員らが床に置いて包装を解いていたところ、突然出火したという。火は数十センチの高さまで燃え上がったといい、職員らが水をかけて消火した。
日本医師会をめぐっては、1日に会長選が行われ、親民主党の茨城県医師会長の原中勝征氏(69)が初当選を果たした。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100402/crm1004022016022-n1.htm

日本医師会は長らく自民党を支持していたのですが、先日の会長選では親民主党の原中氏が当選しました。
「与党自民党」の前提が崩れたため、慌てて民主党支持へ舵を切ったように見えますね。
得票の内訳は親民主党の原中氏が131票、中立派の森氏が118票、自民党派の唐澤氏が107票と各勢力が大差なく三分されていますから、日医内部での原中氏の支持基盤が盤石というわけではなく、内部では激しい政争が繰り広げられているのではないかと想像します。そして真相のはっきりしていない上記の事件も、日医の内紛が表面化したものではないかといううがった見方を思わずしてしまいますね。

変化に対応できない人や組織は没落せざるをえませんが、こんな事件が起こるところを見ると、日本医師会も進退きわまりつつあるように思われます。

さて、一般の医師や国民は昨今の日医幹部の有様については冷ややかな目で見ていることと思います。しかしながら、冒頭でも述べたとおり大変化の時代ですから、「物事の前提条件がかわってしまう」というのは誰にでも起こりうることです。

財政破綻、石油枯渇、気候変動、・・・色々なもののタイムリミットが近づいています。
これらは、一国の社会制度の変化などという小さなものではなく、世界の文明全体の変革を迫るものです。
戦争や天災を引き金にしてその脅威が顕在化してくることになるでしょう。
そして財政破綻や社会秩序の崩壊という結果になります。
 
財政破綻したとき、公的保険医療が維持できるでしょうか。
疫病や大地震により社会秩序が崩壊したとき、いまの医療制度のままで持ちこたえることができるのでしょうか。
石油が枯渇したとき、エネルギーをふんだんに使っている先進医療が維持できるのでしょうか。

これから医療は必要ですが、世界が一変してしまう以上、医療を成立させる前提条件も変わります。
前提条件が変われば、その上に成立する医療そのものも変わっていかざるを得ません。

新しい皮袋には新しい酒を入れるように、新しい時代には新しい医療が必要です。
新しい時代の新しい医療を模索して執筆されたのが今月から連載開始の「医療における革命」です。
読者の皆様には、是非とも「医療における革命」を読んで頂き、ともに新しい時代の医療を作って頂けたらと思います。